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宝石のエンハンスメントやトリートメントとは?どんな意味で何をする?

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宝石のエンハンスメントとは、本来の美しさを引き出す最小限の加工処理です。
石の色やツヤを強め、傷を目立たなくするために行います。
トリートメントとエンハンスメントとでは使用する含新物質が異なり、宝石の価値にも大きな影響を与えます。

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宝石で使われるエンハンスメントとは?

エンハンスメントとは

宝石は、必ずしも原石の状態で最初からキラキラと美しく輝いているわけではありません。原石に様々な加工・処理を施して、ジュエリーとして美しい輝きを持つ宝石に変身させます。この天然石を美しくするために行う作業を、エンハンスメントと呼びます。

エンハンスメントの加工方法

エンハンスメントとは

エンハンスメント加工にはいろいろな方法があります。

熱を加えて行う処理や、放射線を当てて行う処理、染色処理、オイルやワックスを使って行う処理などです。それぞれに目的が異なります。

その中で多くの天然石に用いられている処理方法と言えば、熱処理と含浸処理が挙げられます。

熱処理というのは、ルビーやサファイヤに対して行われることが多い処理方法です。

この処理を行うことによって宝石の色味が美しい発色になります。ごくまれに、加熱処理されていない天然石が「非加熱サファイヤ」のようなうたい文句で販売されていることがあります。

これは、加熱処理をしなくても十分に美しい色を発色できているからだ、と考えることができます。本来なら加熱処理が必要な天然石なのに処理が必要なかったという時点で、その天然石には付加価値が与えられます。

その結果、取引価格は高額になることが多いです。

もう一つの含浸処理は、天然石の表面や内部についている細かい傷を取り除き、それ以上大きくなることを防ぐための処理です。

ただし、どんな含新物質を使うかによって、この含浸処理がエンハンスメントになることもあれば、トリートメントという別の処理方法とされることもあります。

トリートメントについて

エンハンスメントとは

宝石の原石に対して含浸処理をする際には、使う物質によって、その作業がエンハンスメントではなくトリートメントになることがあります。

一般的には、宝石として高い価値が期待できる場合には、ワックスやオイルなどの含新物質を使ったエンハンスメントが行われます。

しかし、リーズナブルな価格帯で流通している宝石の場合には、エンハンスメントではなくて、トリートメント処理が施されることがあります。

トリートメント処理をされた石だからと言って、それが宝石ではないとということはありません。

しかし、トリートメント処理よって、石としての価値が下がる可能性はあります。

石に光を当てた時に内部に気泡や細かいヒビを確認できるような場合には、その石はエンハンスメントではなくて、トリートメント処理を受けた可能性が高いと考えられます。

ちなみに、トリートメント処理を受けた宝石は「エメラルドガラス」のように宝石名にガラスがついた名前で販売されることもあります。

しかし紛らわしいことに、「エメラルド」として販売されることもあります。

含浸処理で使用される「含新物質」について

エンハンスメントとは

現在主流の含浸処理では、ワックスやオイルを使う場合にはエンハンスメントとされ、樹脂や鉛ガラスを使った場合にはトリートメントに分類されることが多いです。

ワックスは、天然石の表面にあるざらつきや細かい傷などを除去し、ツヤを出す時に行う処理方法です。

ラブラドライトやラピスラズリ、翡翠などは、この処理をすることによって、美しいツヤが生まれます。

表面に見えている傷をできるだけ目立たなくするという目的や、石のツヤを高めるという目的で行われることが多い処理方法です。

オイルは、石の内部に入っているヒビや傷を大きくしないための処理として行われる他、石の透明度を高めるために施されることが多い処理方法です。

例えば、透明度が高いエメラルドは、傷がない石はないと言われているほど、傷があるのは普通のことです。傷をそのままにしていると、石のカットや研磨の時に、その傷が拡大してしまうことが多いです。

そうしたトラブルを未然に防ぐ目的で、含浸処理が行われます。

トリートメント処理に使われる樹脂は、傷の程度が大きな石に対して使われることが多い含新物質です。オイルよりも屈折率が優れているため、樹脂を使うことで内部の傷を目立たなくできます。

石の価格や価値という点では低くなりますが、見た目重視の処理としては優秀な方法です。

トリートメントでは、鉛ガラスが使われることもあります。ダイヤモンドやエメラルド、サファイヤやルビーのように、透明度が高い石に対して行われることが多いトリートメント手法です。

見た目重視の含浸処理を行うことができます。

しかし、この処理を行うことによって宝石の価値は大きく低下してしまう加工でもあります。

購入するなら、トリートメント後として妥当な価格かどうかを確認したほうが良いでしょう。

まとめ

宝石のエンハンスメントは、石の発色やツヤを良くし、細かい傷を目立たなくするために行う加工処理です。

特に含浸処理では、どんな物質を使って処理するかによって、石の価値が大きく下がる場合があることを予め理解しておきましょう。