スーツの袖口のボタン「本切羽」「開き見せ」がある理由
さて、ここまででスーツの袖口に「本切羽」と「開き見せ」の2つがあることが分かっていただけたと思います。
しかし、なぜなのでしょう。
スーツの起源とされる軍服の袖口との関係
これには、スーツの衣服としての意味や成り立ちが関係あります。
軍用の上着が起源とされているスーツ。
その後、外出時に着る衣服として広まっていきました。
しかし、ジャケットを脱ぐと中に着ているワイシャツは下着という認識のままでした。
このため下着であるワイシャツの下には何も身に付けない、という考えが現在でも有効で実践している方も多くいます。
スーツの歴史については、別の記事にて詳細を細かく纏めています。
こちらについても気になる方は、是非合わせてご確認下さい。
外出先でスーツの上衣を脱ぐのは失礼な振る舞いだった
つまり、外出先でスーツのジャケットを脱ぐのは下着を見せることを意味しました。
しかし、ジャケットを脱がないと煩わしくて仕事にならない職業があります。
医者がそれで、特に外科的な対応の場合は、袖があっては細かい動きなどに邪魔で仕事になりません。
スーツの袖口をまくれるようにボタン付きが登場
そこでジャケットを脱がずに袖口が開くようにして、腕まくりすることで腕だけを出して診断等に対応できるようにした、というのがスーツの本切羽の起源とされています。
このことから、本切羽をドクタースタイルや外科医式などと呼ぶこともあるようです。
スーツの袖口の本切羽はオーダーメイドのみだった?
スーツの袖口の2つの形状について、それぞれ説明してきましたが、お分かりいただけましたでしょうか。
ここで余談ながら、かつてスーツの袖口が開く本切羽はオーダーメイドのみの仕様だった時期があることをお伝えしましょう。
本切羽を着ることで、量販店の吊るしやショップの既製品スーツとは違うこだわりのあるスーツを身に付けている、という意識があったようです。
スーツの袖口の本切羽は量販店でも購入可能に
しかし現在では、量販店はもとより、紳士服店での既製品でも本切羽を選べるように在庫をそろえている店が多くなりました。
さらにショップの中には、スーツの袖口タイプを本切羽か開き見せかを購入時に選んで決められるレディーメイドの店もあるようです。
スーツの袖口の本切羽をおしゃれに着崩すファッションも有り
昨今では、スーツの袖の本切羽をおしゃれな着崩し感覚で使うファッションも見受けられます。
カジュアルコーデで着こなしを実践したい方は、ビジネスカジュアル向けの記事を別途纏めていますので、合わせてこちらの記事もご確認頂けたらと思います。
スーツの袖口の本切羽ボタンをはずすのはとても新鮮!
暑い時など、わざと本切羽のボタンをはずしてジャケットの袖をまくることで、スーツの袖口にスキを作って、こなれた感じを出すわけです。
カジュアルなスーツの際は、案外新鮮な感じを与えるかもしれません。
まとめ
スーツの袖口の2タイプを説明しました。本切羽と開き見せですと言います。
スーツの袖口の違いは機能的には、それほどこだわるポイントではないかもしれません。
しかし「蓼食う虫も好き好き」ではないですが、感覚の問題で好き嫌いの理由は説明できないもの。
自分で着てみてどちらがいいかをご判断ください。要はおしゃれ感覚やファッション同様、好みの問題といえそうです。
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