着丈、身丈、裾丈、襟丈などいろいろあるスーツの各箇所の呼び方ですが、これらは全て長さのことです。
つまり、単にスーツの丈、といえばジャケットの裾の位置を指していて、上にあれば短い、下なら長いと言うわけです。
スーツの着丈や裾丈の基準は時代によっても変わり、昨今は短めがカッコイイとされています。
なぜなのかの理由を説明しつつ、カッコイイ着丈や裾丈のスーツがどうなっているのかをまとめてみました。
スーツをカッコよく着るのに一番大切な「丈」
スーツをカッコよく身に付けるうえで一番大切なポイントが「丈」、つまり長さになります。
冒頭で示したようにスーツの丈、と一口に言っても様々な丈を含みます。
そのうち特に気を付けたいのが、ジャケットであれば着丈、パンツなら裾丈です。
なぜこれらの長さが重要かというと、それぞれの長さが着ている人の体型に合っていないとシルエット崩れているというか、要は見栄えが悪く見えるからです。
スーツのジャケットの着丈は長い方がいいのか短いほうがいいのか
もう少し細かく見ていきましょう。まずはジャケットから。
ジャケットには、着丈と袖丈があります。着丈はジャケット全体の長さを指します。
首周りからジャケット全体の下部までです。腰から下、ヒップあたりまでくる着丈の下部のみを指して「丈が短い、長い」という言い方もします。
ジャケットの袖丈は体型とワイシャツで合わせる
ジャケットの丈のもう一つは袖丈。つまり方から袖口までの袖の長さのことです。
スーツを着た時は、中にワイシャツを着るのが鉄則ですが、スーツの袖口からワイシャツの袖が1~1.5cmほど見えているのが、基本のシルエットになります。
ですので、まったくワイシャツの袖が見えなかったり、大きく5cm近くも出ているとカッコ悪いというより、だらしない、みっともないスーツ姿ということになってしまうのです。
なぜスーツの着丈や袖丈が長すぎるとカッコ悪く見えるのか
なぜ、カッコ悪い、だらしない、みっともないのでしょうか。
その理由は、パンツの裾丈を説明してから、ジャケットとパンツのふさわしい
長さについて考えてみますので、その際に触れましょう。
パンツの裾丈は極端にいえばパンツ全体の長さ
パンツの裾丈は極端な言い方をすれば、パンツ全体の長さです。
しかし、慣例としてパンツの裾丈の長短を指す場合は、パンツの足首あたりのフチになります。フチまでの長さを短くしたり、長くしたりすることで裾丈を調整するわけです。
スーツの着丈が長いとスッキリして見えない
さて、ジャケットの着丈、パンツの裾丈が合っていないと、特に長すぎる場合、なぜカッコ悪く見え、みっともないシルエットになってしまうのでしょう。
それは、スーツは可能な限りダブダブ感やシワなどを付けないで着る服だからです。
つまり着崩して着る衣服ではないのが大きな理由になります。
フォーマルなスーツは見栄えの良さを強調した着丈で
カジュアルであればシワや着崩しを強調することで着こなしをアピールできますが、スーツを含むフォーマルウエアは、シワやクッションがなるべくできないように着るのが見栄えがよくなるように作られているからです。
実際、着丈や裾丈が合っていると、スーツにフィットしている印象を受けます。
特に着丈、裾丈とも短めにしたほうが、シルエットが良く見えるはずです。
ジャケットの着丈やパンツの裾丈は短めがベター
なぜ、着丈、裾丈とも短めの方がいいのか、その一番の理由は「視線が集まりやすい先端部分をすっきり見えるようにする」ことで、全体が締まって見えるためです。
スーツの先端部分である着丈の先をスッキリみせること
すっきりした先端部分とは、ジャケットなら着丈の下部、パンツであれば裾、ということになります。ですから、ヒップが少し隠れる程度の短い着丈のジャケットをまず選びます。
パンツもスーツの丈にならって細く短めに
次はパンツです。こちらも先端をすっきり、という理由から、なるべく細身にして裾も短めにします。
かつては靴を脱いだ時に、靴下が少し見える程度、というのがパンツのスタンダードでした。
かつてのパンツの裾は長めが好まれていた
というのも、スーツ姿で靴を脱いで座敷などに上がることが多く、その際に靴下はもとより、すね毛が見えることのないよう足元がなるべく隠れるようにという身だしなみへの配慮からの基準だったためです。
短めの着丈のジャケットにならいパンツの裾も短く
ところが現在は靴を脱ぐのは自宅のほかは、時折の座敷での飲み会程度で、ほとんど靴は履きっぱなしです。
履きっぱなしの靴なら、パンツともどもすっきり見えた方が印象も良く、クッションと呼ばれる裾の折れ目も、ノークッションか悪くてもハーフクッション
程度の折れ目にしたほうが、きれいにスッキリ見えるのです。
スーツのシルエットがカッコイイかたの条件は丈の長さ
スーツの着丈とパンツの裾丈は短めに、ということで説明してきました。すぐには信じがたい、という方、まずファッション関連サイトでチェックして、街中をゆくスーツ姿を見てみてください。
きっとカッコイイシルエットの方は、着丈、裾丈が短くなってスッキリ見えているはずです。
まとめ
ご自分の着丈、裾丈を含めて、友人や同僚の同じ場所を見比べてみてください。
少なくない方が、体型・体格に合っていないスーツの着方をしていることでしょう。違和感なく着れているという方は、きっとスーツの丈についての知識を持って着ている、あるいはちゃんとしたアドバイスをもらって着ている方とみて間違いなさそうです。
気の置けない仲間で、スーツが似合わない人がいたら、着丈や裾丈を見直すよう促してみてはどうでしょう。真剣に受け取ればちゃんとリサイズして着るようになるはずです。