四季の変化が激しい日本ながら、クールビズ、ウォームビズの導入もあって、ほとんどの季節に着られるのがスーツです。
夏場は上衣を脱いで対応できますが、冬の寒さ対策となるとスーツの上に何かを着て、しのがなければなりません。
そんな時、ビジネスやフォーマルシーンを問わず、スーツの上に着る防寒具の 一つがコートです。
季節ものだけに使用期間は短いものの、寒さ対策になくてはならないスーツの上に着られるコートの歴史や種類、おしゃれポイント、流行なども含めてフォ ーマルコート4選に番外編1選を紹介します。
スーツの上に着るコートは冬場の必須アイテム

スーツを着ていても寒いと感じる季節になると、マフラーやコートといった防寒具を身に付けることで寒さをしのいでいる、という方は多いはず。
よしんば通勤時の駅構内や車内などが暖房されていても屋外は寒いので、スー ツの上に着る防寒具、特にコートは、秋冬の必須アイテムでしょう。
スーツの上に着ても違和感のないフォーマルなコートとは?
そこでビジネスシーンを含めたフォーマルなシチュエーションで、スーツの上に着ても違和感のない防寒目的のコートの種類を挙げるとともに、それぞれの 特徴やコーデ例などを説明していきます。

スーツの上に着る1)チェスターフィールドコート

19世紀にイギリスのチェスターフィールド伯爵が身に付けていたことが、名称の由来というコートです。
フォーマルでのスーツの上からの着用を想定して作られているため、大きめの作りで、呼称が長いことから単にチェスターコートとも呼ばれます。
ノッチドラペルの襟とフラップ付きポケットが特徴のチェスター

襟はノッチドラペルで、両脇にフラップがついたポケット、胸には箱ポケットがあり、あつらえたジャケットのような印象です。
昨今は丈も膝上ほどまでと短めで、ジャケットより少し長い程度が人気となっています。
同系色のスーツやネクタイと合わせるとシックなイメージに

コートの色はネイビーか黒に近いチャコールグレーが多いので、同色系のスー ツやネクタイと合わせるとシックなイメージになります。
特にグレー系で、濃淡の差を意識してそろえると、統一感が感じられ、おしゃれに見えます。
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スーツの上に着る2)アルスターコート

典型的なオーバーコートのスタイルで、19世紀半ばごろに登場しました。
前合わせ部分がダブルで、ひざ下前後までの長い丈が特徴です。
ただ近年は膝上までの着丈のタイプもあり、スーツと合わせて、あるいは気温や気候を考えて選ぶといいでしょう。
アイルランド産羊毛から作られたコート

ちなみに名称の由来は、北アイルランドの北東に位置するアルスター地方で生産された羊毛を使って作られたことから、その名が付いたというのが定説です。
背中部分には、デザインとしての特徴の一つであるバックベルトが付いており、ベルトで胴囲を調節できます。
トレンチコートの原型ともいえるシルエットが素敵

トレンチコートの原型と言えるような形で、ダブルの前合わせに加え、大きな襟を立てての防寒となるため、着こなしは、スキのないかっちりした印象を与えます。
Vゾーンはかなり狭くなるものの、マフラーやストールなどと合わせると、きれいなシルエットになるでしょう。
スーツの上に着る3)トレンチコート

出展:otokomaeken.com
かつては、ステンカラーコートと並んで人気のダブルスタイルのコートで膝下までの着丈が防寒に役立っていました。
しかし、着丈の短いコートがポピュラーになったことで、トレンチコートも丈を短くしたタイプが登場しているようです。
英国陸軍など軍用向けに開発されたコートだけに、防寒性に加え防水性にも優れているのが特徴で、雨や雪など荒天の際に威力を発揮します。
スーツの上に着るトレンチコートの原型は軍用コート

実用的な軍用コートとして丈の長いタイプが本来のスタイルで、防寒・防水性が高いことから根強い人気があるコートです。
人気の秘密は、軍用としてのエポーレット(肩章)やガンプラップと呼ばれるライフル銃を撃った時の衝撃を緩和するパーツや、Dリング付きのトレンチベルトといった他のコートにはないパーツが魅力に映るためのようです。

スーツの上に着る4)ステンカラーコート

飾りがなくシンプルなデザインで、スーツに着合わせやすいことから人気のコートです。
語源については諸説あり、国によっては別名で呼ばれていたりするのが興味深いところですが、オーソドックスな形のコートと言えます。
ステンカラーコートは別名バルマカーンコートだが実は別物?

別名バルマカーンコートとも称されており、スコットランドのインバネス地方にある同名の地が由来と言われています。
バルマカーンコートはツイードやギャバジンが素材で、ラグラン袖となっているのが根拠ながら、ステンカラーコートとは襟の形が若干違うとされており、真偽ははっきりしません。
脱ぎ着しやすいラグラン袖を採用したステンカラーコート

基本的なステンカラーコートの特徴は、高くなった後ろ襟と前襟が低く折り返す形で、ゆったりしたラグラン袖です。
ラグラン袖は脱ぎ着しやすい半面、シルエットがなで肩になることから、敬遠されがちでもあります。
なで肩改良のため近年では、角張ったイメージのデザインも登場しているようです。
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スーツの上に着る5)番外編・スポルベリーノ

名称から察せらるように、イタリアが起源のコートです。
カジュアル感が高いコートで、芯地や肩パッドがないのはスーツと同じ理由からのようで、軽くて扱いやすいのが特徴のコートです。
イタリアが起源のコートはスーツ同様軽量でおしゃれ
スタイルはチェスターフィールドコートをベースにライトな感覚で作られており、セミ・フォーマルやドレス・カジュアルといったドレスコードの時に着ていくとおしゃれ感が増すコートです。
前述してきたコートが、重厚感が高く実用面を重視したタイプでしたので、番外編のソフトなコートとして、紹介してみました。
まとめ
夏場の少々の暑さならスーツの上衣を脱いだり、薄手のスーツを着たりして暑 さはしのげますが、寒さとなると使い捨てカイロを使うか、重ね着しか対応策 はないのが実用でしょう。
ということで、秋冬の寒い時期に必須の防寒具でスーツの上に着られるコート 4選+1として紹介、解説しました。
あなたの体型や好みに合ったコートをスーツの上に着て、コーディネイトやおしゃれの参考として頂けたらと思います。
