社会人1年生を含めてビジネスシューズを履いて仕事をしている方なら、おそらく「ジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)」という革靴ブランドを見聞きしたことがあることでしょう。
2003年に誕生した比較的新しいブランドながら、母体はインドネシアで創業100年となるシューズメーカーです。
高品質なうえ1足3万円前後という最高のコスパを誇るジャランスリワヤの歴史や背景、靴作りの製法、サイズ感といった全般を含めその魅力の秘密に迫ります!
※注記=オフィシャルウェブサイトや同オンラインショップでは「JALAN SRIWIJAYA(ジャランスリウァヤ)」となっていますが、本稿では、これまで一般的に表記、発音されてきた「ジャランスリワヤ」で統一表記します。
- インドネシア製の革靴ジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)の誕生は2003年
- ジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)が使うハンドソーンウェルテッド製法とは?
- フランス製の高級皮革を使ったジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)の革靴
- 1970年代から輸出を始めたジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)の母体メーカー
- 日本のセレクトショップを介してジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)が誕生
- ジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)なら手縫いの高級革靴が3万円で入手可能
- ジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)のラスト11120は日本人向けのサイズ展開
- ジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)の98321ストレートチップも木型同様同サイズ
- ジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)のサイズ表記はUKが基本
インドネシア製の革靴ジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)の誕生は2003年
ジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)はインドネシアの革靴ブランドで、誕生は2003年で、新参者かと思いきや、実は100年の歴史を持つ靴製造会社フォルトゥナシューズが母体です。
ちょうど100年前の1919年、フォルトゥナシューズは当時オランダの植民地だったインドネシアで、テデ・チャンドラという若者により、軍隊や軍人向けの靴生産工場として創業されました。
ジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)のコスパの秘密はハンドソーンウェルテッド
その後の第二次世界大戦、インドネシア独立戦争を経て1950年にインドネシア共和国が誕生します。
フォルトゥナシューズ創業者のテデ・チャンドラと息子のルディ・スパーマンは国内外での平和の訪れを感じます。
そんな時、ルディは本格的な靴作り技術を学ぶため、革靴作りの本場であるイギリスのノーザンプトンへ渡って「ハンドソーンウェルテッド製法」の技術を習得。
フランスの高級皮革入手ルートを持つジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)
さらに皮革製造で著名だったフランスに入り、革靴用の皮革についての知識を得るとともに、皮革入手ルートを築きます。
当時ルディが訪ねた皮革業者の中には、デュプイ社やアノネイ社も含まれており、後に革靴製造を本格化する際に、有効な人脈となっていくのです。
ジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)が使うハンドソーンウェルテッド製法とは?
ここでジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)の最大の特徴である「ハンドソーンウェルテッド製法」について説明します。
同製法は現在、世界各国の有名革靴ブランドが採用している「グッドイヤーウェルテッド製法」の原型としてよい作り方です。
革靴製造のほとんどを手縫いで行い、機械を使うのはアウトソールを縫う最終段階だけという、熟練した職人技が必要な製法なのです。
曲がった針での手縫いがハンドソーンウェルテッド製法の特徴
ハンドソーンウェルテッド製法の大きな特徴は、曲がった針での手縫い。
靴の甲、中底、ウェルトを曲がった針を用いて「すくい縫い」と呼ばれる縫い方で縫い付けていくのです。
また、3.5~5mmという厚い革を使ったインソールに加え、厚いコルクを使うことで、靴が足になじむ十分な沈み込みを実現させていることも見逃せません。
つま先の返りが良いハンドソーンウェルテッド製法
もう一つ、グッドイヤーウェルト製法の場合は、リブという細いベルト状の部品をインソールに立てるような形で接着、大型ミシンを使ったすくい縫いで部材を合わせていきます。
リブがあることでソール全体が硬くなり、返しと呼ばれる曲げた靴先の部分の復元力が下がってしまうのです。
その点、ハンドソーンウェルテッド製法はリブがないため、つま先の返りが良く歩き回っても、履き心地の良さが保たれるというわけです。
フランス製の高級皮革を使ったジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)の革靴
高品質の革素材をフランスのデュプイ社やアノネイ社から仕入れて使用していることも、ジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)の靴の質を上げている大切な要素です。
チャンドラらが渡仏時に培った人脈をフルに活用し、革靴のアッパーとなるボックスカーフを安定供給しており、革靴づくりの一翼を担っています。
また、1873年創業という老舗でベルギー唯一のタンナーであるマシュア社のレザーを靴底に使う、という品質維持の徹底ぶりが、評判を呼ぶ革靴作りにつながっているのです。
1970年代から輸出を始めたジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)の母体メーカー
靴の製法の違いと革の供給先の説明が続きましたが、こうした独特の製法と高級皮革を採用したメーカーとして、ジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)は徐々に知名度を上げていきます。
1970年代には国内向けサンダルの好評から、デッキシューズやドライビングシューズなどの靴も手掛けて輸出に力を入れ始めます。
日本のセレクトショップを介してジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)が誕生
1990年代には新旧の両製法を駆使してゴルフシューズの生産を始めたことで、技術力の高さが世界に認められていきます。
成長を続ける同社が2003年に横浜で開かれたIFF(インターナショナルファッションフェア)に出展したことで、セレクトショップのGMTの目に留まります。
同年ジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)のブランドが誕生、日本での販売が始まったのです。
ジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)なら手縫いの高級革靴が3万円で入手可能
手縫いをメインとし、高級なアッパーとソールを使ったジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)の革靴、日本ではなんと3万円前後で購入することができます。
丁寧で高度な技術力の品質を考えると倍以上の値段で売られてもおかしくないといわれるブランドの秘密は、どこにあるのでしょう。
企業努力もあるようですが、人件費をはじめとする生産コストが安いインドネシア製であること、日本への輸入関税が低いことなどから、高級革靴が驚きの価格で市場に出回っているわけです。
ジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)のラスト11120は日本人向けのサイズ展開
ストレートチップやブローグなどビジネスシーンの定番といえる革靴のラスト番号が11120です。
日本人の足形、足の形状特性に合わせて作ったオリジナルといわれる11120のラストは、UKサイズの5から9.5までの展開で、日本のセンチサイズだと23.5cmから28cmになります。
ジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)の98321ストレートチップも木型同様同サイズ
ジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)の革靴は、5桁の品番と靴のカラーによる商品表示、カタログ表記をしています。
ですので、11120番のラスト使ったスタイルの違う革靴が数種あります。
ジャランスリワヤ(JALAN SRIWIJAYA)のサイズ表記はUKが基本
たとえば品番と色表示が98321 BLACKだと、ストレートチップで色は黒、98446 CUOIOだと外羽根のプレーントゥでミディアムブラウン、98374 DARK BROWNは、ダブルモンクストラップで焦げ茶、という具合です。
同じラストを使っているので、サイズ展開も同じです。