サラリーマンでなくとも「リーガル」という革靴ブランドをご存じの方は多いに違いありません。
リーガルコーポレーションとして、創業100年を超える日本の革靴メーカーでもあり、メンズ、レディース革靴を中心に多くのブランドを抱えています。
そのうちの一つが2009年に再スタートした「シェットランドフォックス」で、高級紳士靴ブランドとして、品質とコスパの良さも手伝って市場を広げつつあります。
再スタート10年を迎えたシェットランドフォックスの革靴の魅力を追究するとともに、人気シリーズをピックアップ、評判の良い日本製革靴の秘密に迫ってみました。
シェットランドフォックスの沿革とは?
革靴ブランドのシェットランドフォックスは、日本のブランドとして日本製靴(現リーガルコーポレーション)が1982年にスタートさせました。当時からセレクトショップなどを中心に海外などでも販売されていました。
しかし、休眠と呼ぶのがふさわしいかどうか分かりませんが、その後シェットランドフォックスの革靴は製造中止となってしまいます。
高級革靴志向の高まりで復活!
製造中止となった後、革靴市場は高級革靴志向が徐々に広まり、欧州を中心とする海外の有名ブランド革靴が次々に紹介され始めました。
そんな中の2009年「ブランドに惑わされない、日本人のための日本製の靴ブランド」としてシェットランドフォックスが復活し現在に至る、というのが簡単な歴史です。実店舗についても紹介!
ブランド復活後に満を持して2012年9月、東京日比谷にシェットランドフォックス1号店(日比谷店)が出店します。
日比谷店はブランドの旗艦店として定期的にパターンオーダーフェアを催すなどして、ブランド名を浸透させる取り組みを積極的に行っています。
このことが、シェットランドフォックスの革靴の評判を上げています。
品質の陰にグッドイヤーウェルト製法!
そんなシェットランドフォックスの革靴は、すべてグッドイヤーウェルト製法で作られています。
リブと細革(ウェルト)を使ったこの製法により、安定した品質の革靴を生産できます。
さらに中底に多くの中物を詰めることもできるため、長時間履いても疲れにくい靴に仕上げられるのです。
リブと細革により、オールソール交換などの修理がしやすいこともメリット。
履き始めはキツめな感じを覚えますが、履き続けることで中物に足の形がなじんでいき、履き込むことでフィット感が増していくわけです。
評判を裏付ける履きやすさの秘密とは?
シェットランドフォックスの革靴の高評価の一つが、履きやすさにあります。
履きやすい靴のためになされている工夫を、靴製作の基本となるラストを含めて、順を追って説明します。
①中心をわずかに内側にしたラストで靴を生産!
出典:https://www.shetlandfox.jp/
革靴の形の元になるラスト(木型)には、つま先から踵に達する直線で表される中心線があります。
中心線に沿ってバランスよい靴を製造しているのですが、シェットランドフォックスの木型の場合、この中心線を8~10㎜ほど内側に据え、甲の中心あたりに置いているのです。
中心線を甲の真ん中に置くことで靴への自然なフィット感が生まれ、疲れにくい靴を作れるラストとなっているのです。
②ラストの踵を足のように丸みをもたせて設計!
出典:https://www.shetlandfox.jp/
踵の後ろや横部分にあたるラストの箇所を、実際の足のように若干丸みをもたせて作ることで、より革のすわりが良くなるように工夫しています。
③靴自体の土踏まず部分を長めにしてホールド感をアップ!
出典:https://www.shetlandfox.jp/
靴を履いて歩く際に土踏まずに当たる盛り上がり部分。
ここを長めにとることで、靴の踵に対する足の踵のホールド感が上がり、履き疲れない構造を実現しています。
また、土踏まずへの盛り上がりにより足が当たる甲部分もわずかに上げて縫われています。
④踵にも丸みを持たせた中底仕上げは技術力の証!
出典:https://www.shetlandfox.jp/
ラスト同様、完成した靴の中底も、くぼんだ形状にすることで、踵の収まりが良くなっています。
中底に丸みがあることは、靴の踵を付ける際の高い技術力が要求される作業で、多くのメーカーができるわけではありません。
⑤ヨーロッパや日本からのプレミアムレザーを使用!
ヨーロッパの有名タンナーからの高級皮革に加え、日本の水染めコードバンなどを使って高級革靴に仕上げています。
シェットランドフォックスをおすすめする理由とは?
これまでの靴作りで得られた豊富な経験値を含めた分析から、日本人の足型に合った革靴のブランドが、シェットランドフォックス。
主なシリーズを特徴とともに説明していき、おすすめのポイントも挙げてみました。
シェットランドフォックスのラストは30種類以上?
シェットランドフォックスの革靴には、多くの種類のシリーズがあります。
シリーズ名はすべて英語で、ハンプトン、ケンジントンというように英米の地名などが命名されています。
シリーズ名は、各靴のラスト(木型)ごとに付けられており、公式ブログページには30種類以上のシリーズ名があります。
シェットランドフォックスの様々な種類の型やデザインを紹介させていただきますので、先ずは革靴の王道とも言える、革靴の各種類を事前にご確認頂けたらと思います。
人気が高いケンジントン!
このため、例えばデュークというシリーズであれば、木型が元になっているので、スタイルとしてホールカットやストレートチップ、ウイングチップがあるということになるのです。
ケンジントンの品番は3013、現在は廃盤、代わって2013年にケンジントンIIが登場、人気が出始めています。
シリーズは多いが生産終了もあるので入手難を念頭に
ただし注意してほしいのは、すべてのシリーズが店舗やネットで入手可能なわけではなく、現時点で廃盤だったり、一時的に復刻されたりしているので気に入ったシリーズのスタイルを見つけた場合でも、在庫確認が必要になります。
各サイトでも好評のケンジントン!
数多いシリーズのうち、特にケンジントンIIは人気が高く、様々なサイトで取り上げられて評判を呼んでいます。
靴の形の完成された美しさ、つまりラストの形が限りなく実物の足に近く、また目を引くようなシルエットなのです。
ケンジントンIIのストレートチップとダブルモンクが双璧の人気!
革も鏡面仕上げができる高い品質で、美しく滑らかなのが特徴。
海外の高級ブランド靴に引けをとらない、あるいは同等かそれ以上の革靴に仕上がっています。
そんなケンジントンIIのうち、ストレートチップとダブルモンクストラップのスタイルが双璧の人気です。