他の服に比べてスーツにはいくつものポケットがあり、実はそれぞれのポケットに意味を持ち、当然マナーがあります。
たとえば、フラップを入れるか出すかの判断はどうしたら良いか?など・・・
おしゃれをもっと楽しむためにも、こんな知識もチェックしてみよう。
スーツのポケットは何故あるの?
スーツにはたくさんのポケットが付いています。
腰ポケットに胸ポケット、内側にもいくつかあり、他の服に比べてもその数は多く、スーツにポケットが多いのは、その歴史にあります。
スーツの歴史は長く、いろいろな習慣と変化の組み合わせによって現在の形になっており、そのため、時計やペンなどを入れるという、機能面を重視したポケットや、チーフを挿すための装飾的な意味合いを持つポケットなどが同居しています。
それぞれに意味があり、消滅することなく現在まで残っているのです。
スーツのポケットは実は意外と実用的な観点で作られている!
出典:グローバルスタイル公式
たとえば、内ポケットはペンや懐中時計などを収納するために生まれ、機能性が重視されたものになります。
現在でも名刺やペンを入れるために使われます。
腰ポケットも実は、懐中時計などの収納として作られた背景がありますが、現在ではあまりここに物を入れることはありません。
なぜならば、腰回りが膨らんでしまって見栄えが悪くなるためです。
実質的な機能は薄れているのですが、スーツの伝統として残っているパーツと言えます。
また、胸ポケットは収納用というよりも、ポケットチーフを挿すためのもになります。
そのため、他の収納用ポケットとは趣が異なり、装飾をする目的で付けられるとも言えるのです。
ジャケットに付いているポケットの種類とその特徴を解説!
ポケットにはいくつかの種類があります。
フラップポケットは最も一般的な形!
フタをするかのように上にフラップがあり、平行にポケットが作られています。
斜めに角度を付けたスラントポケット!
フラップポケットと構造は一緒ですが、斜めに角度を付けて配置されています。
ハンギングポケットと呼ばれることもあり、乗馬スタイルから来ていて、さっと簡単に手を出し入れしやすい設計になっているのが特徴です。
チェンジポケットは右側に二つのポケット!
右側に二つのポケットが付けられるものを、チェンジポケットと呼びます。
チェンジ、つまり小銭をここから出すための小さなポケットという意味合いがあり、特にイギリスのスーツに多いスタイルになります。
カジュアルスタイルで使うアウトポケット!
アウトポケットとは、身頃にポケット部分が貼り付けられているスタイルで、パッチポケットと呼ばれることもあり、イタリアスタイルのジャケットに多いのが特徴です。
どちらかというと、カジュアルスタイルで採用されることが多い傾向にあります。
知らぬが恥!スーツのポケットに秘めたマナーとは?
ポケットはスーツに関係する伝統や習慣によって生まれています。
そのため、ある程度のマナーと呼べるものも存在しており、特にフラップが付いたポケットについては、使い方によっては相手に失礼となってしまうケースもあるので注意が必要です。
スーツのポケットを入れる時とは?
フラップポケットのフタは、ポケットの中に雨やホコリなどが入らないようにするためのものになります。
そのため、雨風が当たらない室内ではフラップをポケットの中に入れた状態にしておくのがマナーになります。
日本ではそれほどこのマナーに厳格ではありませんが、スーツの本場であるヨーロッパでは厳しく見る人もいます。
フラップを出すかしまうかのマナーは重要!
室内でフラップを出すと、その家が雨風が入ってくるようなボロ家だと言っているようなものだと見るのです。
いわば、家の中にまで傘をさして入ってくるのと同じ感覚と言えます。
ヨーロッパのマナーに厳しい人との商談などがある時には、このマナーには気を付けたいところです。
スーツのポケットを出す時とは?
フラップはポケットの中に雨などが入り込まないようにするためのものなので、室外ではフラップを出します。
つまり、室内ではフラップを入れるようにし、室外に出る時にはフラップを出すということになります。
とは言え、実際にはここまでするのは面倒だし、つい忘れてしまうものであるため、現実としては、片方を入れもう片方は出すといった、フラップを中途半端に出すようなことがなければ、マナー違反とは言われません。
ただし、前述の通り、細かなマナーに厳しい人もいるので、TPOをわきまえて注意する必要があるので注意が必要です。
ポケットに物を入れない理由とは?
本来、ポケットはペンやコイン、時計などを収納するためのものになります。
しかし、現在ではあまり収納スペースとして用いることはなく、ポケットに物を入れない方が良いとされています。
ポケットに物を入れない理由は2つ!
その理由は主に2つあるので押さえておきましょう。
1)一つは、スーツは体のラインに沿うように作られていて、それが美しいシルエットを作るからです。
ポケットに物を入れると、その部分が膨らんでしまい、シルエットが崩れてしまう恐れがあります。
2)もう一つの理由は、いつもポケットに物を入れていると、小銭などの重いものを入れた際に、型が崩れてしまうということが理由になります。
その部分だけ、下が膨らみ落ち込んだ型崩れを起こしてしまうのでその点には特に注意が必要です。
まとめ
スーツにはたくさんのポケットがあり、それぞれに意味があります。
ジャケットは決まった形ですが、こうした小さなパーツの意味合いやデザインを知り、工夫してみるとよりオシャレが楽しくなるので、是非ポケットの違いにも注目して、製品を選んでみましょう。
また、チーフを挿す胸ポケットなどは、コーデ自体をより魅力的なものにするためのパーツでもあるので、上手に使いこなせるように出来ると、より一層おしゃれが楽しくなること間違いありません。