ビジネスシーンでの革靴は、職種によって好みが分かれるようですが、相対的に高い評価を得ているのがイタリア靴です。
イギリス靴の頑丈さにイタリア本来のエレガンスを加え、アメリカ発の大量生産型の製法をも取り入れた靴作りから、多くのブランドが存在し、しのぎを削っているのがイタリア靴の現状。
世界の靴の特徴を交えつつ、高級ブランドをいくつか紹介しながら、イタリア靴の魅力の原点に迫ってみました。
- イタリア靴の魅力に迫る前に国別の革靴の特徴を見てみよう
- イタリア靴にはカジュアル的な遊びの要素が多いのか?
- 重厚で堅牢なイメージが特徴のイギリス靴
- 各ブランドごとに特徴がまったく違うフランス靴
- スペイン靴の特徴は洒落っ気がありつつ頑丈な中庸の靴
- 近代の靴製法を確立したのが大きな特徴のアメリカ靴
- イタリアの靴最大の特徴は軽やかな履き心地
- イタリア靴もグッドイヤーウェルト製法で作られている
- イタリア靴のサイズ感や表記とは?
- イタリア靴のサイズはヨーロッパサイズだが単位はどうなの?
- イタリア靴のサイズ表記の単位はパリポイント
- イタリア靴のサイズ41を日本靴のサイズに換算する数式は?
- 革靴分野で多くの高級ブランドを輩出しているイタリア靴
- イタリア靴のブランドランキングをチェック!
- 20は下らないイタリアの高級靴ブランドから人気の5選を紹介!
- 1)サントーニ(SANTONI)
- 2)サルバトーレ・フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)
- 3)アルティオリ(ARTIOLI)
- 4)ベッタニン&ヴェントゥーリ(BETTANIN&VENTURI)
- 5)マックス・ヴェッレ(MAX VERRE)
- イタリア靴を日本からオーダーメイドできるのかチェック
- オーダーメイドのイタリア靴は『靴工房カステッリーノ』で堪能可能
- サンプル靴も試着可能なイタリア靴のオーダーメイドとは
- まとめ
イタリア靴の魅力に迫る前に国別の革靴の特徴を見てみよう

人気のイタリア靴の魅力に迫る前に、革靴の国別の特徴を挙げてみます。
国別の特徴の有無はスーツでの装いに関心がある方であればご存じでしょう。
軍靴発祥国ともされるイギリス靴に始まり、フランス、イタリア、スペイン、 アメリカ、そして日本と細かく分ければ国ごとに違う靴が存在するほど多様なのが革靴なのです。
イタリア靴にはカジュアル的な遊びの要素が多いのか?

もちろん、靴を履く人々の足の特徴だけでなく、流行を含めたファッション感覚や、スーツとの相性、カジュアル使用かどうかといった全体的な要素が国ごとに少しずつ違う革靴の特徴になっています。
まずは、国ごとに違う革靴の特徴やスタイルなどを簡単に紹介し、イタリア靴の魅力や人気に迫り、製法やブランド、サイズやカジュアル向けといった面を含めて集大成的に記してみます。
重厚で堅牢なイメージが特徴のイギリス靴

まずは、各国の靴の特徴をイギリス靴から見てみます。
革靴を生んだイギリス靴の一番の特徴は、厚みのある革を使った手製での靴作りと破損しても修理して使うという伝統でしょう。
製法はその後、工業化したグッドイヤーウェルト製法に進みましたが、培った 靴作りの伝統と品格は今なおイギリス靴に息づいているのです。
クロケット&ジョーンズ、チャーチ、ジョン・ロブなどが主なブランドです。



各ブランドごとに特徴がまったく違うフランス靴

アパレルファッション界をリードする国だけに、各ブランドの個性が特徴的なのがフランス靴。
製法はグッドイヤーウェルトが多いものの、マッケイで仕立てる場合もあるといったお国柄です。
フランス靴の木型は他国の有名ブランドからも発注あり
また木型職人の丁寧な仕事も定評があり、シューケア製品として名高いコルドヌリ・アングレーズの木型は有名ブランドでも使われているほどです。
主なブランドは、オーベルシー、コルテ、ベルルッティ、JMウエストンなど。

スペイン靴の特徴は洒落っ気がありつつ頑丈な中庸の靴

ラテン的で南国らしい色や形のイタリア靴のような靴作りの半面、頑丈なイギリス靴の利点も兼ねているというスペイン靴。
もちろん、グッドイヤーウェルト製法ですが、洒落っ気のあるデザインも知ら れています。
ヤンコ、カルミナ、メルミンなどが有名なブランドでしょう。

近代の靴製法を確立したのが大きな特徴のアメリカ靴
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近代の靴の製法を確立したのがアメリカで、グッドイヤーウェルト製法もマッケイ製法も同国で生まれました。
このため、大量生産の既成靴作りに定評があり、多くのメーカー、ブランドが ありましたが、今はほとんどがなくなり、知られているブランドも少なくなっています。
コールハーン、ジョンストン&マーフィー、オールデンといったブランドが現在も革靴を作り続けています。


イタリアの靴最大の特徴は軽やかな履き心地

さて、本題であるイタリア靴の特徴は、何と言っても軽やかな履き心地でしょう。
加えて美しいフォルムと手染めでの色彩の豊富さが有名で、世界中にファンが 多いのもうなづけます。
知名度が高くブランドも多いイタリア靴、実は靴作りが盛んになったのは1945年の第二次世界大戦以降です。
イタリア靴もグッドイヤーウェルト製法で作られている
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革靴製造国として欧米などに大量に供給することで、製造技術が磨かれるとともに、歴史ある国だけにデザインや履き心地にも注力されることで、多くのブランドが誕生し、今も靴といえばイタリア製、といわれるほどの定評を維持しています。
世界をリードする人気ブランド靴の上位は常にイタリアブランドと言っても過言ではないことはご存じでしょう。
イタリア靴のサイズ感や表記とは?

気に入ったイタリア靴を見つけたので即買いたい、という時に一番気を付けなければならないのがサイズ表記です。
買う時に試着したけれど、サイズ換算よりも大きく感じたり、逆に小さく感じたりした経験があるのではないかと思います。
イタリア靴のサイズはヨーロッパサイズだが単位はどうなの?

イタリアも欧州なので、靴はヨーロッパサイズの表記になっています。
単位基準が、日本製の靴の場合、素足のタテの長さの一番長い個所をセンチで表記し、0.5センチごとでサイズを変えて靴を作っています。
つまり24.5cmの次は25.0cmという具合です。
イタリア靴のサイズ表記の単位はパリポイント
ところがイタリアを含むヨーロッパサイズは、靴のサイズに適用するパリポイ ントという基準に則っており、1パリポイントは3/2センチに相当します。
ここでやっかいなのが、実際の足のサイズに反映された靴のサイズが、ヨーロッパサイズの場合は、素足のサイズに1.5cmを加えて計算しなければならないこと。
イタリア靴のサイズ41を日本靴のサイズに換算する数式は?

ですので、例えば26cmの日本サイズの靴が合う素足の場合で1.5cmを加えた数式は(26cm + 1.5cm) x 3/2で、導き出される数字は41.25になります。
端数は切り捨てて、一般的なサイズ換算表で日本の26cmの該当欄のヨーロッパサイズは42となっているので、ほぼ換算表の数字42の靴が26cmの足に合うというわけです。
靴のサイズ表記については、別の記事にて詳細細かく纏めています。
他国表記も含め、是非こちらもご参考にして頂けたらと思います。

革靴分野で多くの高級ブランドを輩出しているイタリア靴

フォルムや色を含めたデザインの良さで定評のあるイタリア靴は、多くのブランドを輩出していることでも知られています。
人気のイタリア靴だけに、革靴紹介サイトを筆頭にファッション関連サイトなどでも、頻繁にブランドのランキング記事が紹介されています。
イタリア靴のブランドランキングをチェック!

それも5選や10選といった少ないランキングではなく、20選、30選というブランドの多さを誇るサイトも見かけます。
それだけイタリア靴が日本人に知られている証拠と言えますね。
20は下らないイタリアの高級靴ブランドから人気の5選を紹介!

ランキングサイトで紹介されるイタリア靴ブランドの数の多さは驚くほどありますが、中でも高級な靴として扱われているブランドを5つ、半ば独断で紹介してみます。
もっと有名なブランドが抜けているのでは、といった異論もあるかと思いますが、ご容赦ください。
1)サントーニ(SANTONI)
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高級革靴のサイト内で、サントーニ(SANTONI)が紹介されていないサイトはない、といっても言い過ぎではないほどの認知度を誇るブランドです。
1975年にアンドレア・サントーニが工房を設立、既知の靴製法にとどまらず、 独自考案の10を超える製法を使ってメンズ&レディースの靴を作り続けています。
レザースニーカーという斬新な靴を1990年代に市場に送り込んだことも知名度アップにつながり、現在では高級靴ブランドの代名詞ともいえる存在です。
履き心地の良さから内羽根のストレートチップやダブルモンクが有名です。
サントーニ(SANTONI)のブランド紹介やおすすめアイテムは、別の記事にて細かく詳細を記載しています。
気になる方は、こちらの記事も是非合わせてご確認下さい。

2)サルバトーレ・フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)

元々は靴職人だったサルバトーレ・フェラガモが1927年にフィレンツェで起こしたブランドになります。 顧客にはハリウッドやイタリアの映画俳優や同関係者が多かったことから、世界的に名を知られるようになりました。
サルバトーレは1960年に48歳で亡くなりましたが、後継者たちが意志を引き継ぎ、 現在は、メンズ&レディースのラグジュアリーブランドとして名を馳せています。
紐なしのウイングチップやダブルモンク、ローファーなど独特のスリッポン式革靴が人気です。
サルバトーレ・フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)のブランド紹介やおすすめアイテムも、別の記事にて細かく詳細を記載しています。
気になる方は、こちらの記事も是非合わせてご確認下さい。

3)アルティオリ(ARTIOLI)

最上質の革を選び抜いて、縫い目が外側から見えない靴を作ることで名が知られるようになったブランドになります。
1945年にセヴェリーノ・アルティオリがミラノでスタートさせ、欧米の政治家やスポーツ選手、俳優を含むハリウッド関係者に気に入られたこともあって知名度を上げていきました。
素材となる皮を植物性で行う天然なめしを採用、マッケイ製法による軽快な革靴を作っており、多くの木型を持つことと、様々な皮を使うため多種の革靴を提供しているのも特徴。
4)ベッタニン&ヴェントゥーリ(BETTANIN&VENTURI)

古い歴史を持ち1850年から靴職人として開業していたメーカー&ブランドになります。
一番の特徴は、カデノン製法という唯一同社でしか作れない珍しい製法を採用しているところにあります。
「神の手」とも言われる技術を持つ4代目のジュゼッペ・ベッタニン氏による カデノン製法の靴はオーダーメイドのみの展開のため、高価な靴となっています。
もちろん、その他の製法での靴も作っており、グッドイヤーウェルト製法でのブーツ類や、グッドイヤーフレックス製法で柔らかさを追求したローファー類は好評を持って迎えられています。
5)マックス・ヴェッレ(MAX VERRE)

21世紀になって創業した新興ブランドながら、創業者でもあるマックス・ヴェッレがデザインから生産までを手掛けられるうえ、イブサンローランをはじめ とする有名ブランドで修行した実力派として市場に登場しました。
定評ある高い技術の靴作りにとどまらず、モードの最先端を行くデザインと、 すらりとしたスタイリッシュな形の靴が多く、ストレートチップのほかローファー、ダブルモンクが高い評価を受けています。
ストレートチップやダブルモンクなど、革靴の種類や特徴については、別の記事に詳細を纏めています。
詳細について、気になる方は、合わせてこちらの記事もご確認下さい。

イタリア靴を日本からオーダーメイドできるのかチェック

出典:https://suit-kumamoto.com/
自分の足に合った本格イタリア靴を日本で作りたい、という要望に応えられるお店やサイトがいくつかあるようです。
そのうち「本場イタリアから靴が届く」をうたい文句にしてビスポークシューズを作っているのが「靴工房カステッリーノ」になります。
オーダーメイドのイタリア靴は『靴工房カステッリーノ』で堪能可能

イタリアで靴作りを学んだ日本人によるオリジナルブランドで、フェラガモやトッズなどの有名ブランドとのコラボも実施したという実力派です。
ミシンを使わずに手作業で靴を作っているのが最大の特徴になります。
加えて原料となる1枚の皮からの切り出しや縫製、染色も手作業というから驚きです。

サンプル靴も試着可能なイタリア靴のオーダーメイドとは

さらに、オーダーメイドの靴すべてでサンプルシューズを作って試着してもらう、という徹底ぶり。
このため完成までは4~8カ月かかるそうですが、自分だけの靴を待つという贅沢ならでは。
興味のある方は、下記のホームページでチェックしてみてください。
問い合わせなどはEメールで、申し込み受け付けは随時とのことです。
公式ホームページ:http://www.castellinoshoes.com/
まとめ
他国の靴に比べてイタリア靴のブランドが多いことに、驚かれたのではないでしょうか?
靴のメーカーやブランドは他国にも多くあったのですが、イタリア靴だけが残ったのは製法やデザイン、スタイルなどが利用者に愛され続けているからでしょう。
手作りで温かみのあるイタリア靴、ビジネスマンでなくてもスーツ着用時には是非揃えて、コーデや着こなしを誇りたいアイテムといえるのではないでしょうか。