スーツは前の合わせ部分などの違いから、シングルとダブルがあることは、皆さんご存じでしょう。
数年ほど前から、寒さ対策もあってかベストを加えたダブルのスリーピースが人気なようです。
そこでダブルのスーツの特徴や成り立ち、都市伝説的なイメージや思い込み、俗説なども含めてスーツのダブルの魅力に迫ってみました。
スーツのシングルとダブルはどこが違う?

まず、スーツのシングルとダブルという言い方について説明します。
スーツのシングルは、「シングル・ブレステッド・スーツ(Single Breasted Suit)」というのが正式です。 日本では、ブレステッドという単語が略され、単にシングルスーツと呼ばれるようになっています。
ダブルも同様で「ダブル・ブレステッド・スーツ(Double Breasted Suit)」 となるわけです。
ジャケットのボタン数が違うのもダブルスーツの特徴

ダブルのスーツは、ジャケットの前の合わせ部分が左右から重なっているタイプで、ボタンも4つまたは6つになっています。
さらにボタンの位置から平行に並ぶ「オールインライン」と、V字型になる 「スプレッドアウト」の2種類があるという具合です。

ダブルのスーツは襟の形もシングルとは違う

襟の形もシングルのノッチドラペルと違って、ピークトラペルが一般的です。 さらにシングルだと身丈の裾の真ん中が割れているセンターベントですが、ダ ブルの場合はヒップが隠れる感じで左右の外ポケットの外側に割れ目が入って います。 これはベントが左右の横に2つあることからサイドベンツと複数形で呼ばれます。


スーツのダブルは実用面を重視したことで誕生

続いてダブルの誕生の経緯を見てみます。
シングルスーツが、モーニングコートなどからのカジュアル化、平服への簡略化で誕生したのに比べ、実用面が重視されて生まれたのがダブルスーツなので す。
一例として知られるのが、防寒対策としての前の合わせ部分です。
防寒対策に重きを置いて作られたダブルのスーツ
船乗りや馬に乗る軍人などが、防寒のために前合わせ部分を左右から重ねるようにしてボタンで留めたのです。
また、ボタンホールも左右それぞれについているのは、風がどちらから吹いてきても対応できるようにした、というのが理由となっています。
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