黒いスーツは主に冠婚葬祭用で、ビジネスシーンでは長らく避けるべき色でした。
ところがここ十数年前から、米国映画の主人公が着ていた影響なのか、就活の学生のスーツが黒になったようです。
就活学生が社会人になった後も黒のスーツを着続けたことで、街中などでも黒のスーツ姿を見かけるようになっています。
厳密に言えば礼服の黒とスーツの黒は、いろいろな違いがあり、黒いスーツが礼服というわけではありません。
そんな黒いスーツの特徴と礼服との違いなどを挙げて、コーデ例をいくつか紹介しました。
フォーマルな黒スーツの認知度は低いのが実情

街中で黒いスーツ姿を見かけるようになって久しい昨今ですが、日本のビジネスシーンでは、フォーマルウエアとしての認知度は低いのが実情でしょう。
海外ではフォーマルな装いとしてパーティーなどでも着られている黒いスー ツ、日本ではやはり冠婚葬祭用という意識が先行します。
「上品」「男性的」「クール」などが黒スーツのイメージ

それでも有名ブランドなどが黒いスーツを売り出したことで、特に若者の間で 話題を集め、人気となっていったようです。
ちなみに黒いスーツが与える印象としては「上品」「男性的」といった点に加 え「クール」「知的」というのもあります。
黒いスーツと礼服のどこが違うのか?
ややネイビースーツに近い印象を与えるのは、ともにダークカラーだからでしょう。
また、権力を背景にしている、支配的といったイメージも感じるというのは、 ひと昔前の映画の影響も少なくなさそうです。
そんな黒いスーツは、礼服とは違う点がいくつかあります。
まず、礼服との大きな違い3つを挙げてみます。
黒いスーツと礼服の違い1)素材

礼服はウール100%ですが、黒いスーツはポリエステルとの混紡が多く、ほぼ 50%ずつという素材の割合になります。
混紡なのは、スーツの価格を安く抑えるとともに生地への耐久性を考慮した素材となっているのです。
当然、価格の高いウール100%の黒いスーツもありますが、費用対効果を考え た場合、1着持っているかどうかは判断の分かれるところでしょう。

黒いスーツと礼服の違い2)色

気づきにくいのですが、礼服とスーツの黒は濃さが違います。
ウール100%の礼服は、漆黒などとも呼ばれるように黒さが濃い生地です。
これは高級品の証ともいえるのですが、何度も生地を染めるなどした高級生地を使って縫製されているためです。
グレーが混じったような淡い黒をスーツに採用
他方、スーツの黒は、若干グレーが混じったような淡いブラックになっています。
さらに光沢の有無もあり、スーツには光沢が少なからずありますが、礼服で光沢のあるタイプはありません。
礼服と黒いスーツを並べてみれば、その違いは明らかで、礼服が圧倒的に高級感があるとともに、価格にも反映されています。


価格:(税込 140,400円)
ブランド名:TONELLO/トネッロ
黒いスーツと礼服の違い3)デザイン

昨今の流行などを反映してか、細く見えるようなデザインが多い黒のスーツに対して、礼服はゆったりした作りです。
長く着られるように、シルエットを含めてゆとりを持たせたデザインになっています。
衣服としてのゆとりや、長い期間に数回着る程度、という頻度も加わり、礼服購入時にダブルを選ぶ方もいるようです。
